どうも、もももです。
今回はアラーム状態を監視、制御する回路を作成してみたいと思います。
アラームの考え方については以前も述べたように、以下の2種類を扱うものとします。
- Error:異常
- Warning:警告
Error(異常)の詳細
- 異常条件のONでアラーム出力ON
- 異常条件のOFF かつ リセット指令の入力でアラーム出力OFF
- アラーム出力ONにあわせてブザー出力ON
- アラーム出力のOFF または ブザー停止指令のONでブザー出力OFF
Warning(警告)の詳細
- 警告条件のONでアラーム出力ON
- 警告条件のOFFでアラーム出力OFF
- アラーム出力ONにあわせてブザー出力ON
- アラーム出力のOFF または ブザー停止指令のONでブザー出力OFF
前提条件
本稿は以下環境を元に作成します。
- KV STUDIO:Ver11
- 使用機種(PLC):KV-8000
※KV STUDIOのシミュレーション機能を用いて動作確認
制御回路作成
使用デバイス一覧
下記デバイスの使用を想定します。
表左側は個別のアラーム・ブザー状態として使用しているデバイスの一覧になります。
- MR000~215:16点ごとにグループ分けした個別の異常状態
- MR500~715:16点ごとにグループ分けした個別の警告状態
- MR1000~1715:各アラームのブザー状態(アラームのアドレスに+1000)
表右側はアラーム発生状態の管理、制御を行うために使用します。
- MR2000~2004:アラーム及びブザーの発生及び発音状態
- MR2008~2011:アラーム及びブザーのリセット及び停止指令
- MR2100~:各グループの異常発生状態
- MR2200~:各グループの異常ブザー発音状態
- MR2300~:各グループの警告発生状態
- MR2400~:各グループの警告ブザー発音状態
※今回はサンプルとして、アラームのグループは3種類(共通/ユニットA/ユニットB)で各16点ずつとしています。
※ラダーの視認性や保守性を考慮すると、アラームの点数は16の倍数ごとに1グループとして確保した方が良いと考えています。
ラダー(アラーム発生部)
アラーム発生部については基本的に以前作成したアラームFBを必要数配置するだけです。
図中のFB実行条件は「CR2002(常時ON)」となっていますが、使用用途に応じて「電源ON確認」や「運転準備ON確認」等の接点に変更しても良いと思います。
アラームFBについては以下で詳しく紹介しています。
ラダー(アラーム制御部)
アラーム・ブザー状態については基本的に全て同じ考え方です。
各状態、グループ毎にアラーム、ブザーデバイスを監視してONしているものがあれば該当部分がONします。
以下、異常回路部分を用いて解説します。
上図のように16ビットを1ワードとして扱うことで、例えば「MR000~015」のいずれかがONした場合に値としては「1~65535」の「0」以外の値となり、「MR2100」がONします。
「MR2100~2102」のいずれかがONした場合に「MR2000」をONとしたいので上図下部のようにb接点直列のON/OFF逆転としています。(a接点並列で接続しても良いですが「MR2103」以降のグループを増やした時にラダーが読みにくくなるためb接点直列のON/OFF逆転で接続しています。)
複数ビットをワードに変換する方法については以下で詳しく解説しています。
その他インタフェース サンプル
以上、作成した回路・デバイスを元に他のプログラムでの使用方法の一例を以下にまとめます。
ランプ・ブザー出力
- MR2000(異常発生中) ON:ランプ赤点灯
- MR2001(異常ブザー発音中) ON:異常用ブザー発音
- MR2002(警告発生中) ON:ランプ黄点灯
- MR2003(警告ブザー発音中) ON:警告用ブザー発音
ユニットのインタロック
- MR2100(共通異常発生中)またはMR2101(ユニットA異常発生中)がON:ユニットA動作不可
- MR2100(共通異常発生中)またはMR2102(ユニットB異常発生中)がON:ユニットB動作不可
まとめ
アラーム状態を監視、制御する回路を作成しました。
アラームを制御する回路はどの装置にも必要なものなので、汎用的な回路を作成して流用することで作成工数を削減することが出来ます。
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